鳥公園『鳥公園のアタマの中展2』(3/5~)
公演情報
2019.02.26
様々な演出家×鳥公園の戯曲の公開稽古・リーディング上演・トーク。
鳥公園のアタマの中に分け入る試み!
2018年2月に行った第1弾が好評を得て、1年ぶりに第2弾を実施。様々な演出家や俳優や観客の皆さんをも巻き込み、アイデアの棚卸や創作のための実験を行います。
「演出家は戯曲にどう向き合っているのか」、「演出家は俳優とどのようなコミュニケーションを行い作品創作を行っているのか」に焦点をあて、普段稽古場の中で行われるプロセスを外からも見える状態で行う本プログラム。 各回のリーディング公演のために、演出家と俳優はその日の朝からリハーサルを始めます。また公演後には必ず、鳥公園主宰の西尾とのトークを実施。演出とは、戯曲とは、演劇とは、まさに鳥公園にとっても「原点」に立ち返る「アタマの中展」です。 今回はすでに上演された戯曲に加え、新作戯曲や、夏にマレーシアで行ったリサーチを踏まえたレクチャー・パフォーマンスなども実施。
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コンセプトノート
昨年始めた鳥公園のアタマの中展、2回目をやります。前回は「自分の書いた戯曲を他者に手渡す」ことばかり考えていましたが、今回は戯曲の内容にももう少し目を向けて、鳥公園の追ってきた2つのテーマを大きく括り出したいと思います。1つ目は「家族という制度への疑問」、2つ目は「わたしの交換可能性」です。
2018年は、3~4月に城崎国際アートセンターに滞在して新作『終わりにする、一人と一人が丘』の戯曲を執筆し、5~8月にマレーシアに滞在してからゆきさん(19世紀後半から第一次大戦くらいまでの時期に、主に九州西部~北部から東南アジアへ渡り、娼館で働いた女性たち。ただし広義には、性別も業種も関係なく海外への出稼ぎ民全般を指す)についてのリサーチを行い、稽古と上演からは離れていました。鳥公園を始めてからずっと、東京を拠点に、一つ公演が終わるとまたすぐ次の稽古開始というペースでやってきましたが、その創作のテンポから離れてしばらく深く潜りたい気持ちがありました。
書いて、読んで、土地を歩き、母語でない言葉で話し、かつてそこにいた人々に思いを馳せながら過ごすうち、わたしは自分の生きている世界にかなりの不信を抱いてきたんだなと気が付きました。その不信は世界にも自分にも埋め込まれていて、えぐり出すのは大変ですが、自覚できれば少しずつ、違う形になっていけると思います。
きっとこの不信感を形にして取り出したくて、手を変え品を変え作品をつくってきたのでした。今回は「家族」と「わたし」への疑問や信じられなさについての作品を、初期のものから新しいものまで6作品、ご覧いただきたいと思います。
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<展示のながれ>
●毎日10時~稽古開始
●毎日11時にアトリエオープン、「創作風景」を展示する(入場無料)
●公演1時間前にアトリエクローズ
●公演15分前に開場(公演はチケットを持った方のみ/有料 )
●終演後は毎回トークあり(その回のチケットを持った方のみ)
<展示/公演内容>
▼3月5日(火) 19時開演
『終わりにする、一人と一人が丘』 »2019年秋に本公演として上演予定!
演出:西尾佳織 ドラマトゥルク:朴建雄
出演:石川修平(劇団俳優座)、菊沢将憲、鳥島明(はえぎわ)、花井瑠奈、布施安寿香(SPAC)、和田華子
▼3月6日(水) 19時開演
『緑子の部屋』
演出:葭本未織(少女都市)
▼3月7日(木) 19時開演
『乳水』
演出:和田ながら(したため)
出演:石川信子、大石英史、近藤千紘、斎藤淳子(中野成樹+フランケンズ)、多田香織(KAKUTA)、堀井和也
▼3月8日(金) 19時開演
『おねしょ沼の終わらない温かさについて』
演出:蜂巣もも 美術:渡邊織音(ともに、グループ・野原)
▼3月9日(土) 19時開演
『すがれる 横浜版』
演出:筒井潤(dracom)
出演:村山裕希、松田早穂、高山玲子、長洲仁美
▼3月10日(日) 17時開演
レクチャーパフォーマンス『なぜ私はここにいて、彼女たちはあそこにいるのか〜からゆきさんをめぐる旅〜』
構成・演出・出演:西尾佳織 ドラマトゥルク:朴建雄
※各回、終演後にポストパフォーマンストークあり
■日程・会場:
2019年3/5(火)〜3/10(日) 東京芸術劇場 アトリエイースト
■料金:
整理番号付・自由席(日付指定・税込)
1公演:2,500円(当日は500円増)
※未就学児入場不可