ジエン社 第11回公演『夜組/口ではない/ノットアイ(仮)』
公演情報
2015.07.18
「夜組」、と呼ばれる組織にきっといるのだろう。
朝に起きれなくなった俺は、昼も起きれなくなり、このままいくと夜も起きれなくなるのではないか。夜に取り込まれる。夜の中に入り、二度と太陽の下に戻れなくなる。そんな俺に、「夜組」は誘いをかけてきたのだ。「夜に起きてたって、別にいいんじゃないか。」いやもちろん、はっきりと言葉をかけられたわけではない。具体的な誰かから、ダイレクトにアクセスされたわけではないんだ。
「夜組」は、そこら中にいる。
具体的にいえばそれは、電波の中。ラジオの中からだ。
ラジオネーム・『ツチヤカタユキ』の投稿によれば「『明日』が必ずやってくることは、死んでもやめるべきではない」とのこと。このことに対してラジオネーム『プリーズムーン長良川』『ベネットの静かな居眠り』『かまちまちまちかまち』『犬出しエッフェル犬』といった「夜組」の連中も、ツチヤのいう事に同意している。それをまとめているのが、パーソナリティである孔子大先生だ。孔子はその投稿を『論語』にまとめ、「この長い夜が明けたら、みなさんの声を世に出しましょう」と高らかに宣言する。
「夜組」たちが夜を作っている。ラジオからは「夜組」たちの断片たちが(うめきが)こぼれ出てくる。唾液の翔ばない声たちの群れ。口ではない言葉たち、それらは「最近、エアロビをはじめて…」というフツオタ(普通のお便り)であったり、『悪い人の夢』や『少し面白い』、『あれはちん毛じゃないのか』といったコーナーへの言葉、それは、その言葉たちは、その時の俺の口は、俺たちは、もう俺じゃないんじゃないか。
「夜組」の夜は暗い。暗いんだから、目も、もう要らないんじゃないか。
(上演未定。準備中。深夜ラジオ好きにインタビューをしていくつもりです。タイトルにスラッシュが入っていますが、三本立てではありません。一つの作品のタイトルです。なお、お分かりとは思いますがこのストーリー紹介は大嘘です。上演するかどうかわからない演劇の脚本を、これから長い時間かけて作ろうと思います。)
脚本・演出:作者本介
■日程・会場:上演未定
■料金:未定