【特集】作品を未来へ。劇場を部屋へ。
作品を未来へ。劇場を部屋へ。
2023.01.31
「長く残す、より良く再現する、誰もが観られる」、
EPADの取り組みとは──。
その日その場所に居合わせた人しか味わうことができないマジカルな瞬間や、確かに存在したのに千秋楽が終われば跡形もなく消える街や人──。ライブパフォーマンスの存在意義である一回性に“周縁”が生まれ、広がりつつある。2020年に設立したEPAD(緊急舞台芸術アーカイブ+デジタルシアター化支援事業)は、その日その場に行けなかった人が作品にリーチできる回路を増やし、録画や録音の質を向上し、地理的にも歴史的にも多くの人の鑑賞チャンスを創出する取り組みを行っている。今後ますます必要性が高まりそうなEPADが実際に何をしているのか、2つの特集記事で紹介する。
EPAD(緊急舞台芸術アーカイブ+デジタルシアター化支援事業)サイト https://epad.terrada.co.jp
【特集1 対談】
EPADは観客の拡大を考える一方で、権利者情報の整備や配信に伴う権利処理手続きのサポートなど、つくり手とのやり取りも多い。劇団がEPADに作品を提供して配信をする場合、どんなことが起きるのか、何をすればいいのか。著作権法を中心にした権利処理について、そして、制作者が経験した壁やメリットについて、2組の対談を掲載する。
「弁護士と劇団プロデューサーが語る、映像配信の権利問題」
田島佑規(骨董通り法律事務所弁護士)×坂本もも(範宙遊泳プロデューサー/ロロ制作)
「もう、舞台のクリエイションと映像化は切り離せない」
林香菜(合同会社マームとジプシー代表)×堀朝美(贅沢貧乏プロデューサー)
【特集2 配信作品レビュー】
EPADがこの3年で収集した舞台作品は1700タイトル。2022年度に限定すると、412タイトルを収集し、そのうち140タイトルが配信可能リストに加わった。かねてから舞台作品の配信映像に関心があったという世代の異なる3人の演劇人が、その中から自由に1本を選び、レビューを書いた。
・二兎社『ザ・空気』×安藤玉恵(俳優)
撮影:本間伸彦
・オル太『超衆芸術 スタンドプレー』×山本卓卓(劇作家・演出家/範宙遊泳代表)
撮影:田村友一郎
・ウンゲツィーファ『モノリス』×テヅカアヤノ(劇作家・演出家・舞台監督/TeXi’s主宰)
撮影:菅原広司