演劇最強論-ing

徳永京子&藤原ちから×ローソンチケットがお届けする小劇場応援サイト

演劇最強論-ingとは?

▼はじめに▼ごあいさつ▼枠の色について▼コンテンツ

▼はじめに

    「演劇最強論-ing」は、演劇ジャーナリスト・徳永京子と、批評家・藤原ちからが、ローソンチケットのバックアップのもと、小劇場をメインとして現代演劇の最新事情を紹介するウェブサイトです。

    書籍『演劇最強論』(2013年)の続編とも言えますが、ウェブの特性を活かし、「-ing」という現在進行形でアップデートしていくことによって、アーティスト/カンパニーの最新情報や今後の動向を随時キャッチアップしていきます。提示しているラインナップはあくまで暫定的なものであり、今後少しずつ拡大していく予定です。

    鮮烈な印象を受けたり、目に見える景色が変わったり、時には人生を揺るがすほどの衝撃を受けたりする……そんな演劇を体験するガイドとして、ぜひ活用してください。


▼ごあいさつ


    今また、劇場に足を運ぶことに積極的になっている。
    観劇本数は年々増加していて(ちなみに2014年は、複数のフェスティバルに出かけたり、高校演劇の審査員をさせていただいたこともあって、合計281本だった)、そのすべてが「行かなければ、観なければ」という義務感ゼロとは言えないが、最近は改めて、劇場に行くことがとても楽しい。

    1年に200本を下回ると動きが追えなくなる、という感覚を持ったのは10年近く前だったと思う。特定の劇団や劇作家や演出家の変化、新しい才能の登場、その時代が生み出す潮流、劇場の動向、社会的な事件や災害への応答など、いくもの層が重なって走る「現代日本の演劇の流れ」を、一定の実感をもって感受するには、あくまでも私の場合だが、200本以下ではそのいずれかが抜け落ちるという危機感が、はっきりとあった。
    ずっと少ない数でもそれをキャッチできる人はいるだろうし、どんなに観ても完全に捉えることができないのは承知しているが、その場に行って身体が感じたことを、まだしばらくは書くことの起点に据えたいと思う。現場主義を偏重するつもりは無いが、観て、観続けて、言葉を紡ぐ者でありたい。

    2012年に藤原ちからさんと『演劇最強論』(飛鳥新社)を出版したが、そこで紹介させてもらったつくり手や書いた論考は、サブタイトルにあるように「反復とパッチワーク」を表現の特徴とする人やテーマが中心だった。その切り取り方はまだ有効だと思うが、その切り取り方ゆえに手を伸ばすことができなかった時間軸や地図はあって、彼らの重要性を再認識することがこの数年、重なった。また、冒頭に書いた最近の劇場通いの楽しさは、去年から今年に入って出会った複数の若い才能が大きく影響している。
    もし『演劇最強論2』を出すなら、前作では充分に触れられなかった中堅とベテラン、そしてさらに若い劇団や、東京以外の地域についても採り上げたいという私と藤原さんの願いが、とてもありがたいことにこういう形になった。欲張りな私達の興味は随時、アメーバ的に広がっていくことが予想され、このサイトが常にその最新形となるように、名前も『演劇最強論-ing』とした。演劇に興味がある人にも無い人にも、使い勝手がよく、開かれたメディアとして継続するように努力したい。
    劇場に行く私のモチベーションがさらに高まっているのは、言うまでもない。

    2015年7月  徳永京子(演劇ジャーナリスト)

    ***** 

    ローチケのSさんから「小劇場を応援するサイトをつくりませんか?」とご提案をいただいた時、正直、少し戸惑った。というのもわたしは『演劇最強論』執筆前後から横浜に拠点を移し、最近は海外に渡航する機会も増え、日本国内でもどちらかといえば地方の演劇や、ワークショップの現場、あるいは他ジャンルとの境界が曖昧な領域へと、関心をシフトさせている。つまり「東京の小劇場演劇」とはだいぶ距離が生じているわけで、そんなわたしに「応援」なんてできるのか……と困惑したのだった。

    とはいえこれは発想を新たにするチャンスでもある。『演劇最強論』でも書いたように、東京中心主義がゆるやかに解体されつつある今、東京を舞台に切磋琢磨を繰り広げてきた「小劇場演劇」が何らかの変容を迫られるのは当然のことだ。滅ぶものは滅ぶし、またそのうち次の誰かがやってきて新しい血を注ぐことで、「小劇場演劇」は延命する……。これまではそうだったのだから、そんなストーリーを想像するのはさほど難しいことではない。だが本当にそうした発想のままでいいのか。もしも今、現代日本人の想像力を超えるような芸術史的・社会史的な地殻変動が起きつつあるのだとしたら? そしてその解体/再生プロセスの最前線こそが「小劇場演劇」なのだと考えてみたらどうなるだろうか?

    最後はいつも好奇心が勝つ。わたしはこのいささか妄言めいた仮説を確かめたくて、Sさんに「やります」と返事をした。だが、どうすればいいのだろう。ちょっと小高い丘に登って観察を決め込む程度では、この巨視的な変化を俯瞰するのは難しそうだ。かといって、宇宙船クラスの形而上学的な高みに登りつめてしまっては、遠すぎて現場のことがよく見えない。そもそもそんなことはできない。やれやれ、結局は、足を使うしかないということになる。けれど、面白そうではある。まずは地を這うようにあちこちをさまよい、「今・どこで・何が起きているのか?」をひとつひとつ探ってみたい。時間と体力とお金の許すかぎり、全国各地を行脚して、いろんな人に会ってみたいと思っている。

    ローチケのバックアップに感謝します。

    2015年7月  藤原ちから(批評家、編集者、BricolaQ主宰)


▼枠の色について


    このサイトに掲載する劇団/アーティストは、大きく4つの色に分かれています。
    <赤色>
    4,000円前後で観ることができる徳永京子、藤原ちからが選定した約40の『演劇最強論枠』。
    <緑色>
    中劇場や大劇場で上演されるが、現在の小劇場と深く関わっているクリエイターの作品。
    (劇団一覧ページでは『MASTERS』枠)
    <紫色>
    『演劇最強論枠+α』として約40劇団以外の公演情報、枠にとらわれない情報を掲載。
    また、徳永京子と藤原ちからが企画や制作として携わる公演情報。(劇団一覧ページでは『OTHERS』枠)
    <青色>
    ローソンチケットのおススメ小劇場公演情報。

    『演劇最強論枠』の約40劇団は、定期的に再選定を行う予定です。


▼コンテンツ


    <劇団一覧>
    『演劇最強論枠』の約40劇団を50音順にリスト化しています。各劇団のTOPページに行けます。
    また『MASTERS』枠として、8人の演出家・劇作家の公演情報にもリンクしています。

    <公演カレンダー>
    本サイトに掲載している情報をカレンダー形式で観ることができます。
    ただし、急な公演期間の変更や、休演日などは対応していませんので、必ず各団体の公式サイトなどでご確認をお願いします。
    <チケット>
    本ページに掲載している公演情報の一部を販売しています。(ローソンチケット取扱い公演)
    こちらのページからは余計な手数料が掛からず、チケット代金のみでお申込ができます。
    <連載コンテンツ>
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