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岸田國士戯曲賞受賞作家市原佐都子(Q主宰)過去作品『妖精の問題』オンライン公演実施

オンライン配信

2020.05.13



代表作『妖精の問題』をオンラインで再演

今年、第64回岸田國士戯曲賞を受賞した劇作家・演出家、市原佐都子が主催する劇団Qにてオンライン公演を実施致します。
作品は2017年に初演を行った『妖精の問題』。

過去の公演では、一部は落語『ブス』、二部は歌唱『ゴキブリ』、三部はセミナー『マングルト』と、それぞれ異なった物語・スタイルで構成された三部作を一人の俳優が演じていたものを、今回オンラインでの上演にあたり、出演者や内容を再構成し上演します。
タイトルの「妖精」は「みえないもの」の揶揄。
社会のなかでみえないようにされているものについての問題集(短編集)です。

本作品は、2016年に起きた相模原障害者施設殺傷事件をきっかけに作家自身のなかに存在する優生思想、日本社会での生き辛さを見つめ、できるだけ偽善的でない方法であらゆる「正」を肯定するという試みのもと創作されました。
2017年の初演から三年後の現在、新型コロナウイルスの影響下にある社会で、そしてオンライン空間で、作品の言葉たちはどのように響くのでしょうか。


オンライン版『妖精の問題』
作・演出:市原佐都子
出演:遠藤早菜 竹中香子 寺田華佳 西田夏奈子 日髙啓介(FUKAIPRODUCE羽衣) 山根瑶梨
映像出演:山村崇子(青年団)
音楽:額田大志(ヌトミック/東京塩麴)

■日程:2020/5/16[土]14:00/5/17[日]14:00
■会場:オンライン(ZOOM)
■参加費:999円

★詳細はこちらをご確認ください★

【あらすじ】
一部『ブス』
作品世界ではマイノリティである「ブス」の女学生二人がオンラインで会話している。もうすぐ選挙が行われる。最近、存在感を増している「不自然撲滅党」逆瀬川志賀子(さかせがわしがこ)の政見放送を二人は見る。

二部『ゴキブリ』
ラーメン屋の近くに住む貧困な夫婦は、彼らの家に生息するゴキブリに悩まされている。ある日、夫は大量の害虫駆除剤を焚く。妻は妊娠しており、不意にその煙を吸い、胎児に「異常」が見つかる。ゴキブリは駆除されたかのように思われたが、その日以来「異常の」ゴキブリが出現するようになる。

三部『マングルト』
自分自身の体内常在菌を利用して作る「マングルト」という食べ物の、創始者である小室淑子(こむろよしこ)の意思を引き継いだ礼子(れいこ)による、「マングルト」についてのセミナー。

Q

市原佐都子が劇作・演出を担うソロユニット。2011年より始動。モノローグを基調に生きることの不条理さ・混迷する世界で輝く人間の生命力を女性の視点で語る。俳優の身体に重きを置く演出ながら、言葉による表現・リズム感を重視した作風が特徴。人間の行動を動物を観察するかのような目線で捉え再構築した作品からは、命の力強さ躍動感を直接浴び るように感じることができる。2011年、戯曲『虫』で第11回AAF戯曲賞受賞。2017年、『毛美子不毛話』が第61回岸田國士戯曲賞最終候補。2020年、『バッコスの信女 – ホルスタインの雌』で第64回岸田國士戯曲賞受賞。 ★公式サイトはこちら★